ポメラDM200のデータ共有・同期方法を完全解説/ポメラSyncも。

以前ご紹介した、テキスト入力専用マシンの「ポメラDM200」。

tkatsuaki.hatenablog.com

 

テキスト入力には最適のガジェットですが、作成した文書を、どうやってデータ移行/共有すれば良いのか悩んでらっしゃる方も多いと思います

そこで、ポメラDM200で作成したデータを他のデバイスに共有する方法(ポメラSync含む)について、整理してみました。

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キングジム ポメラDM200

1 USBケーブルで接続(対象:PC)

一番シンプルな方法です。

外出先ではポメラを使い、自宅・職場ではPCで文書を作成される方にはこの方法がおすすめです。

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<方法>

ポメラ本体とPCをUSBケーブルで接続します。

②メニュー画面で「ツール」⇒「PCリンク」を選択し、Enterキーを押します。

③すると、PCがポメラを外部メモリとして認識します。(このときSDカードを差していれば、SDカードも同時に認識してくれます。)

④必要なテキストファイルを同期します。

⑤終了する場合は、ポメラ側でEscキーを押し、PCリンクを終了します。

 

 

2 SDカード(対象:PC)

本体側の保存容量は128MBしかないので、ポメラ本体には大量の文書を保存することができません。

たくさん文書を保存されたい方で、SDカードで文書を一括管理している方であれば、この方法がおすすめです。

仮にPC側にSDカードを読み込むスロットがなくても、上記のとおりPCリンクを通じてSDカードを読み込むことが可能です。

 

<方法>

ポメラ本体にSDカードを差します。

②作成した文書を、SDカードに保存します。

③PCにSDカードを読み込ませ、必要なテキストファイルを同期します。

 

 

3 QRコード(対象:iPhoneiPadAndroidスマホ等のQRコードが読めるデバイス

ポメラで作成した文書をQRコード化して、スマホタブレットに読み込ませます。

ポメラ以外に、スマホタブレットで文書を作成される方にはこの方法がおすすめです。

ただ、ポメラスマホタブレットへの一方通行で、双方向の同期が出来ません。

したがって、例えばポメラで作成したブログ記事を、スマホを通じてアップロードする、という用途であれば使えると思います。

 

スマホにデータを転送するだけなら、この方法が一番手っ取り早いと思います。

 

<方法>

①メニュー画面で「ツール」⇒「QRコード」を選択し、Enterキーを押す。

②すると作成した文書がQRコードに変換して表示されます。

iOSであれば「pomera QR」アプリ、iOS以外であればQRコードを読み込むアプリを起動して、②のQRコードを読み込む。

④文書をコピーし、メールやメモ等に貼り付ける。

 

なお、作成されるQRコードは2通りあって、「QRコード」と「pomera QR」。

QRコードスマホタブレットQRコードリーダーで読み取ることが可能。

 ただし、読み取れる分量は少ない。

pomera QRiOS専用アプリでのみ読み取ることが可能。長文の変換に適してます。

 

QRコード画面で、F1を押すとモード変更(「QRコード」、「pomera QR」)、

F2を押すとサイズ変更(大、中、小。QRコード1つあたりの文量サイズ)が出来ます。

 

 

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メニュー画面⇒「ツール」⇒「QRコード」を選択。

 

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F1を押してモード変更(「QRコード」、「pomera QR」)
F2を押してサイズ変更(大、中、小)

 

 

4 ポメラSyncで同期(対象:iPhoneiPadMac

無線LANネットワークとGmailを使って、iPhoneMacのメモアプリと同期する方法です。

ポメラiPhoneMacとどちらでも文書を作成して、双方向で同期したい方であれば、この方法がおすすめです。

特にMacで文書作成されている方であれば、結構使えるんじゃないかと思います。(私はWindowsですけど。)

 

ただ正直、設定・手順は結構ややこしいです。

今般、公式HPに掲載されている説明書を見つつ、ネットで色々調べながらトライしてみました。

www.kingjim.co.jp

公式の説明書もiOS12当時のところからアップデートされておらず、端折って分かりにくいところが多々あったので、2022年の完全解説版としてマニュアル記事を作成しました。

 

MacのPCを持っていないので、今回はiPhoneでの設定でご了承ください。

なお、iPhoneiPadとでメモを同期していれば、iPadとも自動で同期してくれます。

 

<方法>

(1)ポメラ設定場所の確認

メニュー画面で「ツール」⇒「ポメラSync」を選択し、Enterキーを押します。

すると、設定画面が出てきます。

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現時点はひとまず確認だけでOKです。

次に、Gmailの設定に入ります。

 

(2)Googleアカウント/Gmailアカウントの設定

ポメラからGmailを通じてiPhoneと同期していくので、Gmailの設定も必要となります。

また、Gmailに接続するため、Googleアカウントの設定も行う必要があります。

 

iPhoneからGmailアプリを開いて、右上のマークをタップします。

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②「Googleアカウントにアクセス」をタップします。

③「セキュリティ」タブをタップします。

④「Googleへのログイン」の2段階認証プロセスをオンにします。

⑤「アプリ パスワード」をタップして、パスワードを生成します。

このパスワードはポメラの設定に使用しますので、ひとまずメモしておいてください。

もしくは忘れそうな方はこの段階で上記ポメラのアカウントに入力いただいても構いません。(後ほど解説します。)

なお、パスワード生成の際、アプリとデバイスを選択するところがありますが、デバイス一覧にポメラは載っていません。

私は「その他」で「ポメラDM200のポメラSync」と記入しました。

あくまでもラベルの意味しかないので、自分が判別できるならどんな記載でも良いと思います。

 

⑥次に、Gmailアカウントから「IMAPアクセス」を設定しますが、これ関してはPCからGmailアカウントにログインします。iPhoneGmailアプリからも入れるかトライしてみましたが、結局入れませんでした。)

・右上の「歯車マーク」をクリックします。

・「すべての設定を表示」をクリックします。

・「メール転送とPOP/IMAP」タブをクリックします。

・「IMAPアクセス」欄から「ステータス」の「IMAPを有効にする」をチェックします。

 

以上でGoogleアカウント/Gmailアカウントの設定は終了です。

次はiPhone側の設定を行います。

 

(3)iPhoneの「メモ」アプリの設定

iPhoneの「メモ」アプリとGmailを同期します。

iPhoneから「設定」画面を開きます。

②設定画面の下の方にある、「メモ」アプリをタップします。

③「アカウント」をタップします。

④「アカウントを追加」をタップします。

⑤「Google」をタップして、さきほど設定したGmailアカウントに接続します。

⑥すると、下記写真のように「Gmail」が出てきますので、「Gmail」をタップします。

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⑦「メモ」アプリの同期をオンにします。

 

ここまででようやく下準備が終了です。

いよいよポメラの設定に入ります。

 

(4)ポメラの設定

上記(1)でも説明したとおり、ポメラを起動し、メニュー画面で「ツール」⇒「ポメラSync」を選択し、Enterキーを押します。

すると下記のような画面が出ています。

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①「ネットワーク」を選択し、Enterキーを押します。

②使う無線LANを選択し、必要に応じてパスワードを入力します。

③「アカウント」を選択し、Enterキーを押します。

④「Gmail」欄には、上記(2)で設定したGmailアドレスを入力します。

「パスワード」欄には、上記(2)⑤で生成したパスワードを入力します。

Gmailのパスワードではないので注意してください。私はここでずっと引っ掛かり全然設定できませんでした。

⑥「開始」を選択し、Enterキーを押します。

設定がうまくいっていれば、「ポメラSyncが完了しました。Enterキーを押してください。」というメッセージが出ます。

 

ではいよいよ、ポメラSyncを実施してみます。

 

(5)ポメラSyncで同期

まず、設定がうまくいっているかどうかを確認します。

  • iPhoneGmailアプリを開いて、「Notes/pomera_sync」というフォルダが作成されていることを確認します。
  • iPhoneの「メモ」アプリを開いて、pomera_sync」というフォルダが作成されていることを確認します。
  • ポメラを起動し、メニュー画面で「ファイル」⇒「開く」を選択して、Enterキーを押します。ポメラの本体メモリにpomera_sync」というフォルダが作成されていることを確認します。

 

次に、ポメラSyncの原理ですが、下記のとおり。

iPhoneの「メモ」アプリで作成した文書が、Gmailに同期される。

 ⇒Gmailに同期された文書が、ポメラSyncでポメラ本機に同期される。

ポメラで作成された文書を、ポメラSyncでGmailに同期させる。

 ⇒Gmailに同期された文書が、iPhoneの「メモ」アプリに同期される。

 

これらを踏まえて、iPhoneで作成した文書の同期方法、ポメラで作成した文書の同期方法を解説していきます。

 

iPhoneで作成した文書⇒ポメラへの同期方法
  • iPhoneの「メモ」アプリから、「pomera_sync」フォルダ内でメモを作成します。
  • ポメラを起動し、メニュー画面で「ツール」⇒「ポメラSync」を選択し、Enterキーを押します。「ネットワーク」欄・「アカウント」欄の設定を確認し、「開始」を選択してEnterキーを押します。f:id:Tkatsuaki:20220328095526j:image
  • 設定がうまくいっていれば、「ポメラSyncが完了しました。Enterキーを押してください。」というメッセージが出ます。
  • ポメラの本体メモリ「pomera_sync」フォルダを確認すると、作成した文書が同期されています。

 

ポメラで作成した文書⇒iPhoneへの同期方法
  • ポメラで作成した文書を、本体メモリ「pomera_sync」フォルダに保存します。
  • メニュー画面で「ツール」⇒「ポメラSync」を選択し、Enterキーを押します。「ネットワーク」欄・「アカウント」欄の設定を確認し、「開始」を選択してEnterキーを押します。
  • 設定がうまくいっていれば、「ポメラSyncが完了しました。Enterキーを押してください。」というメッセージが出ます。
  • (私の場合)ここでiPhoneの「メモ」アプリを見に行っても、文書が同期されていません。ひとまず、Gmailアプリの「Notes/pomera_sync」フォルダを確認し、文書が同期されていることを確認します。
  • すると、iPhoneの「メモ」アプリに文書が同期されます。

 

以上、ポメラSyncの設定方法でした。

かなり手順も多くややこしいですが、一度設定してしまえば結構便利に使えると思います。

 

 

5 「アップロード」でメール送信(対象:iPhone、PC、Evernoteその他メールを使えるデバイス or サービス全般)

無線LANネットワークとGmailを使って、メールを送信する方法です。

メール転送による同期サービスを使えば、Evernote等にも同期できます。

ポメラで作成した文書やアイデアをメールで飛ばして、iPhoneやPCで活用したい方にはこの方法がおすすめ。

また、職場のPCやiPhoneはセキュリティの関係で接続できない方も多いと思うので、ポメラで作成した文書やメモを職場に送る方法としても使えると思います。

 

なお、今回はEvernoteの転送設定方法は割愛して、メール送信の方法までを解説します。

Evernoteへの同期方法は、下記記事をご参照ください。

evernote.com

 

また、上記4ポメラSyncの説明と一部重複しますので、その部分も割愛します。

 

<方法>

①上記4ポメラSyncの(2)Googleアカウント/Gmailアカウントの設定を実施する。

②メニュー画面で「ツール」⇒「アップロード」を選択し、Enterキーを押します。

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③「ネットワーク」を選択し、Enterキーを押します。

④使う無線LANを選択し、必要に応じてパスワードを入力します。

⑤「アカウント」を選択し、Enterキーを押します。

⑥「Gmail」欄には、上記(2)で設定したGmailアドレスを入力します。

「パスワード」欄には、上記①で生成したパスワードを入力します。

⑧「宛先」欄には、送信する先のメールアドレスを入力します。宛先リストで一覧管理できます。

⑨「ファイル名」欄でEnterキーを押すと、送付するファイルを選択できるので、送信したいファイルを選ぶ。

⑩「開始」を選び、Enterキーを押す。

 

以上で「アップロード」の解説は終了です。

 

 

6 まとめ

ポメラDM200 のデータ共有・同期方法を整理してみましたが、いかがでしたでしょうか。

特にポメラSyncの設定はかなりややこしいので、ポメラを持っていても全く使わずに居る方も多いと思います。

私も、今回ようやく設定することができました。

GoogleアカウントやiOSの設定は、おそらく数年ごとにあちこち変わったりするので、今回は2022年版としてご了承いただければと思います。

 

前回記事でもご紹介したとおり、ポメラDM200はテキスト入力マシンとしてはかなり有能だと思います。

かと言って、文書を作成してもポメラだけで完結することは無いと思いますので、この記事を参考にしつつ、ポメラで作成した文書を色んなデバイスに共有・同期して、仕事や趣味に活用していただければ幸いです。

 

それでは。