キーボードはいかにして選ぶべきなのか/3万円のキーボードを買って気づいたこと part.1

この記事の対象者は…

  • キーボードを買いたいと思っているけど、何を買ったら良いか分からない人

 

 

 

先日、HHKB(Happy Hacking Keyboard)のキーボードを購入した。

購入したモデルはHHKB Professional HYBRID Type-Sで、お値段なんと3万5千円(!?)

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HHKB Professional HYBRID Type-S(白)
今回購入した物。3万5千円也。

高すぎると思われるだろうが、個人的にはとても良い買い物だったと思っている。毎日使う道具だからこそ、こだわって正解だった。

知る人ぞ知るキーボード界の帝王。無意味に触りたくなるくらい打鍵感が気持ち良い。物を買ったというよりは、気持ちよい作業環境という体験を買ったという方がしっくりくる。

高級車は買えないけど、高級キーボードなら買えるのである。

 

私は職場でも自宅でもノートPCを使っており、本来的にはノートPC付属のキーボードで事足りている。

しかし、自分の作業環境を見直したとき、キーボードを接続した方が姿勢が改善し、作業効率が上がり、ひいては生産性が向上することに気づき、キーボードを購入するに至った。このあたりは別の記事でまた詳しく書いていきたいと思う。

 

3万円超えという、値段が値段だけに即決して決めたわけではなくて、HHKBキーボードを買うにあたっては1週間くらい情報収集し、色んな商品・スペックを比較吟味し、脳みそが沸騰するくらい考えに考え抜いた。

結果「これは買うしかない」と判断して楽天で購入した(ポイントがつくので)。

 

情報収集の際、ブログ記事・Youtube動画・企業HP・Amazon楽天等の商品記事をあちこち見て回ったのだが、「もうちょっと分かりやすく、コンパクトに判断基準が書いてある記事があれば良いのに」と思った。

 

そこで、これからキーボードを買おうという人に対して、「最低限これくらいの情報があれば、自分に合ったキーボードを探せるよ」というところを自分なりにまとめて、情報提供していこうと思う。

 

※「HHKBってどんなキーボード?」「ノートPCを使っているなら、そもそもキーボードって要らなくない?」という観点については、追々別の記事で書いていく予定。

 

 

1 キーボードを選ぶ判断要素について

キーボードを選ぶ判断要素は、下記の4つの観点に集約できると思う。

 ①配列日本語配列 or 英語配列

 ②テンキー(テンキーあり or テンキーレス)

 ③接続方法(有線接続 or 無線接続(Bluetooth))

 ④キータイプメンブレン方式 or パンタグラフ方式 or メカニカル方式 or 静電容量無接点方式)≒打鍵感、価格帯

 

それぞれ、私なりに解説していこうと思う。

 

2 判断要素ごとの考え方について

①配列(日本語配列 or 英語配列

日本語配列キーボードには、各キーに日本語の「あいうえお」が書かれていたり、「変換」・「無変換」・「カタカナ ひらがな」等のキーが存在している。

一方で、英語配列キーボードの各キーにはアルファベットか記号のみが書かれてあり、「変換」・「無変換」・「カタカナ ひらがな」等のキーは存在していないので、シンプルな見た目になっている。

日本語配列英語配列を選ぶにあたって、私自身が大きな特徴と考えているのは、「Enter」キーの大きさだ。

日本語配列はEnterキーが大きく、英語配列はEnterキーが小さい。

 

私自身は、Enterキーの大きい日本語配列が好きである。

以前、タブレット用にキーボードを揃えようと思い、なんでもいいやとテキトーにELECOMの安いキーボードを買った。

何も考えずに買ったらEnterキーの小さいキーボードだったのだが、ミスタイプが激増した。Enterキーの小さい配列は合わないことを、そのとき始めて気づいたのだった。

それ以来、もっぱらEnterキーの大きい日本語配列のものを選ぶようにしている。

 

人によっては、シンプルな英語配列の方が体に合うという人もいると思う(だからこそ英語配列のキーボードもたくさん世に出回っているのだ)。

日本語配列英語配列のどちらのタイプが体に合っているのか、家電量販店等で触って確認してみても良いだろう。

ただ、日本のオフィスで導入されているPCのキーボードは大抵日本語配列だと思うので、特にこだわりが無ければ日本語配列が無難という気もする。

 

 

②テンキー(テンキーあり or テンキーレス)

テンキーの有無は、そもそもPC作業において数字を打つことがあるかどうか、という観点で考えると良い。

PCを使う用途がもっぱら文書作成であってほとんど数字を打つことが無い人であれば、テンキーレスでも十分機能は足りている。

逆に、文書作成に限らず、エクセルで数字を入力したり電卓で計算したり、なんやかんや数字を入力する場面が多い人であれば、テンキーありモデルを選んだ方が使いやすい「かもしれない」。

ここで敢えて「かもしれない」と書いたのは、テンキーはそれ単体で購入することが可能だからである。つまり、わざわざテンキーありのフルサイズキーボードを買わなくても、別売りでテンキーを買えば済むのである。(ただし、デバイス数が増えるので、ケーブル周りが煩雑になって一長一短ではあるが。)

 

あとは作業環境、すなわち机の広さが十分あるかどうかに依る。

テンキーありモデルはキー数が多い分場所を取るので、机が広くない方や、広めにスペースを確保したい方はテンキーレスをおすすめする。。

 

 

③接続方法(有線接続(USB接続、PS/2接続) or 無線接続(Bluetooth))

スマホタブレット等のデバイスでもキーボードを使いたいのであれば、無線接続を選ぶべきだろう。というか、iPad等のタブレットはUSB接続ができないので、無線接続一択である。

一方で、スマホタブレット等に繋ぐことは想定しておらず、もっぱらPCのみに繋ぐのであれば、優先接続で良いと思う。最近であれば無線接続が途中で切れるというようなこともないとは思うが、やはり優先接続の方が安定している。

また、優先接続であれば、無線接続のようにバッテリー残量が気になって「いつ接続が切れるかな…」と心配しなくて良い。

 

ちなみに今回買ったHHKBキーボードは、有線接続と無線接続の両方に対応しており、非常に有り難い限り。(ただし、有線接続に必要なUSB Type-C ⇔ USB Type-A ケーブルは付属していない。一方、無線接続に必要な単三電池2本は付属している。)

 

④キータイプ(≒打鍵感、価格帯)

キータイプとは、キーボードの仕組みのタイプのことで、大きく4つのタイプに分かれる。

メンブレン方式:

キーボードを押し戻す仕組みにラバードーム(ゴム)が用いられているもの。全てのキーを1つのシートでカバーしており大量に作れるので安価だが、キーを押し込むときに特有のぐらつきがある。ゴム素材が劣化してしまうので、長く使えない。

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ELECOM TK-FECM01
1,000円くらいでした。

 

パンタグラフ方式:

基本的にはメンブレン方式と同じだが、それにひし形のパンタグラフが追加されたもの。メンブレン方式よりキーが安定している。ノートPC等の薄型キーボードに採用されている。

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ELECOM TK-FBP102
2,000円くらいだったかな。

 

・メカニカル方式:

1つ1つのキーに機械式のスイッチとスプリングを配置しているので、キーの安定性は抜群。メンブレン方式よりも滑らかなキータッチで、爽快な打鍵感も特徴。バネ・軸の種類も豊富で、カスタマイズしやすくこだわりたい人にはおすすめだが、基本的には高級路線。

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FILCO Majestouch2 HAKUA 静音モデル
1万2千円くらい。ちょっとお高い。

 

静電容量無接点方式

1つ1つのキーが独立しているところはメカニカル方式と同じ。特殊な構造で、電極を押しつけることなく(無接点で)キースイッチするため、耐久性に優れており、独特の打鍵感を実現。熱狂的なファンもいる超高級路線。HHKBやREAL FORCEといった限られた製品でしか使われていない。

 

長々と解説したけれど、簡単に言うと、下記のとおり。

  • 打鍵感にこだわりは無くてとにかく安いものを選びたい人なら、メンブレン方式・パンタグラフ方式がおすすめ。(3,000円以下で十分買える。)
  • 打鍵感にこだわりたい人なら、メカニカル方式・静電容量無接点方式がおすすめ。(1万円以上は覚悟しておく。)

 

 

 

3 まとめ

以上をまとめると、こんな感じになる。

①配列 → 特にこだわりが無ければ、日本語配列が無難。

②テンキー → 主な作業が文書作業であれば、テンキーレスがおすすめ。テンキーだけ別で買えるし。

③接続方法 → スマホタブレットにも接続して使いたいなら無線接続。据え置きで使うなら有線接続が無難。両方接続できるのであれば尚良い。

キータイプ → 安さ重視ならメンブレン方式・パンタグラフ方式。打鍵感をこだわりたいならメカニカル方式・静電容量無接点方式

 

いかがだっただろうか。

皆さんのキーボード選びに少しでも役立てば幸いである。

 

HHKB関連、キーボード関連の記事をまた近々書く予定。(HHKBキーボードを買ってから文字を打つのが楽しくなったのでブログを書き始めた、というのが本当のところ。)

 

 

4 参考資料

以下、キーボード選び・記事作成に参照した資料をいくつか挙げておく。

happyhackingkb.com

www.elecom.co.jp

www.youtube.com

www.youtube.com